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行進曲

その昔、軍楽隊が管楽器と打楽器で行進曲を演奏したのが吹奏楽の起源と言われています。
そのためか、行進曲は吹奏楽の基本という考え方が古くからあります。

ユバルのバンド活動でも毎回一曲は行進曲を練習するようにしています。
課題曲マーチを取り上げることが多かったのですが、前々回からはスーザの「エル・キャピタン」を練習しています。

行進曲というのは基本的に、第1マーチ+第2マーチ+トリオというシンプルな構成で出来ています。歌謡曲の、Aメロ+Bメロ+サビという構成にも似ていますね。
もっとも最小限の要素で作られた楽曲という考え方ができると思います。
漫画で言うと4コマ漫画です。

シンプルなもの程誤魔化しが効かず、本当の力が露呈するものです。
メトロノームでテンポとリズムをきっちり合わせ、曲の部分それぞれに相応しい演奏表現をしなければなりません。当たり前のようで、当たり前にできる人はほとんどいません。そして、合奏ではメンバー全員が同じイメージを共有する必要があります。音楽は全てそうなのですが、行進曲のような基本的なスタイルの曲でこういうトレーニングをすることは効果があると思います。

でもシンプルとは言っても課題曲マーチは現代風に進化したというかアレンジされたというか、古典のマーチに比べるとかなり手の込んだものになっています。行進曲というカテゴリですが、実際に人が行進する目的で書かれてはいません。

なので、同じマーチですが「エル・キャピタン」と「春の道を歩こう」とではかなり趣が異なります。
そういう違いを意識しながら練習するのもまた面白いですね。


ところで、同じスーザの「星条旗よ永遠なれ」をコンサートのアンコールに持ってきて会場のお客さんも一緒に演奏しよう、という企画をよく見かけます。シエナ・ウィンド・オーケストラというプロのバンドがそれをやり始め、アマチュアバンドがその真似をしてると思われるのですがどうなんでしょう。
ケチを付けるわけではありませんが、なぜ「星条旗」なの?という疑問が私にはあります。
確かに星条旗は世界一有名なマーチと言えるし、景気も良いノリもよい、アンコールで大勢で演奏するには打ってつけです。
しかし、曲名からわかるように、言ったらアメリカ万歳の曲です。日本のコンサートで最高潮に盛り上がった時に演奏するのがアメリカ賛歌ってどうなのよって思うんですよね。
だからと言って「君が代行進曲」や「祝典行進曲」をやれというわけじゃありませんよ。盛り上がるわけないし。
今や「吹奏楽王国」とまで呼ばれるようになったこの国で、星条旗に比肩するような名マーチを書ける作曲家はいないのかと、思うわけです。

俺が書くしかないのか…。
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アルメニアン・ダンス

ユバル・ムジークのバンド活動も最近では参加される方も増えてきて通常の吹奏楽編成に近い形で合奏できるようになってきました。ありがとうございます。
5月からは金曜日の午前中にも開催することになりましたので、これまで都合が合わなくて諦めていた方がおられましたら気軽にご参加下さい。

band3.jpg

人数が増えてきたということもあり、前々回からアルフレッド・リードの「アルメニアン・ダンス パート1」を練習曲として取り上げています。
今更説明の必要もない曲ですが、吹奏楽を知らない方のために説明しますと、世界一有名な吹奏楽作曲家の作品の中で最も有名な曲です。クラシックでいうところのベートーヴェンの「運命」、ポップスでいうところのビートルズの「Let it be」という感じでしょうか(違うか)。

パート1、パート2と別れており、本来は二つ合わせて一つの組曲だ、という解説がよくなされます。
しかしパート1は4つの曲が接続されているいわゆるメドレー形式なのに対し、パート2は単独の曲が3つの楽章として構成されており、アルメニア地方の民謡を素材にしていること以外に共通するものは感じられません。
なので、パート1がアルメニアン・ダンス組曲の第一楽章であるという説には大変違和感があります。(どーでもいいですか?)ちなみに私は1も2も大好きです。

私が初めてこの曲を聴いたのは中学校の時にFMでやっていた「ブラスの響き」の中のことです。
今はもう存在しない神奈川県の野庭高校吹奏楽部のコンクール全国大会での演奏でした。
非常にスマートで音楽的にまとめられたその演奏は、まだ楽器を初めて間もない私に鮮烈な印象を植え付けました。
その後何度も録音したテープを聴いては自分でも音を採って、繰り返し繰り返し練習しました。

しかしその後30年、世界一有名な吹奏楽曲でありながら、私はこの曲をちゃんとした場で演奏する機会に恵まれませんでした。同じ作曲家の「春の猟犬」や「エルカミーノレアル」は何度も演奏したのですが。
今回、このような形で演奏したり指揮できる機会を得、何か長い間の宿題をやっと提出できるような気分です。

皆さんの中にも”演奏したいけど、その機会がない・・・という”曲がありますか?
ユバル・ムジークならそういう曲も演奏できるかもしれませんよ!




響け!ユーフォニアム とか

病気の時、普段あまり観ることのないテレビ番組を観ることも多く、そんな中で面白かったものを紹介したいと思います。

その1:林修氏司会の特番
前半は今まで常識とされていた料理の調理法を根底から覆し、かつそれがとても美味しいというもの。例えば卵焼きはこしがなくなるまでかき混ぜ低温で焼くとか、唐揚げは先に茹でてから揚げるとか。弁当に入れて冷めても美味しく食べれるというテーマだったのですが、何事においても「こうでなくてはならない」というものってないんだなと思った。ゲストの高畑淳子の反応がいちいち面白かった。

で、後半はクラシックの大作曲家は奇人が多いというテーマで葉加瀬太郎氏が解説を。
クラシックファンの人からしたら、んなの常識じゃんというエピソードかもしれませんが、これが実に面白かった。
モーツァルトが多声部の複雑な合唱曲を一度聴いただけで楽譜に起こせたとか、ロッシーニが美食家のあまり作曲を辞めたとかいうのは僕も知ってましたが、

ラヴェルは背が低いことがコンプレックスだった
ドヴォルザークは鉄道オタクだったがゆえにアメリカに行った
ワーグナーはお世話になった人の奥さんを次々と寝取った
ベートーベンは作曲以外のことは全くできず、家の中が足の踏み場が無くなる度に引っ越しした

など、ちょっと信じられないようなエピソードまであって驚きでした。

これを、それぞれの作曲家の代表的な曲のメロディを葉加瀬太郎がヴァイオリンを弾きながら解説するのですが、その話術の巧みさ、説得力に感心しました。頭も良いんでしょうね。
しかしこういうエピソードを聞くと、真の芸術家というのは普通の人間にはなれないのかと複雑な気分になりますね…。


その2:響け!ユーフォニアム
これはテレビではなくYouTubeで観たのですが、今何かと業界で話題になってる吹奏楽部アニメです。
とりあえず4話まで放送されているらしく、そこまで観ました。
まず、ストーリー云々よりアニメのクオリティの高さと登場人物の女の子の可愛らしさに目を奪われ、観てみようかなという気になりました。

物語は主人公の中学最後のコンクールの結果発表の場面から始まります。
主人公の中学校は金賞を獲るが代表は逃してしまう。「金賞で良かったね」と同級生の部員に言うが、その部員は号泣して悔しがっている。
思わず、主人公は「本気で全国行けると思ってたの?」と口にしてしまい、その部員との間に溝が生まれてしまう。
そして高校入学。吹奏楽部にはその因縁の同級生も入部していた…。この関係が物語前半の核になるのでしょうか。

これまで吹奏楽部を舞台にしたアニメやドラマは幾つかありましたが、この「響け!ユーフォニアム」はかなりリアルに日本の吹奏楽界を描写しています。
作者は同志社大の学生らしく、本人が高校時代に経験したことをベースに書いておられるのでしょう。(ちなみに物語の設定は京都)

それまでの吹奏楽モノに比べると不自然な部分はかなり少ないとは思いますが、んんん?と感じる部分もやはりありますね。
まあ無粋とわかりつつ、個人的にちょっと突っ込みたいなと思う部分を挙げると

○府大会銅賞レベルのクラブの目標がいきなり全国大会出場は無理がある
○どの楽器もピカピカ過ぎる。(一年に充てがわれる金管楽器なんて本当はもっと茶色でボコボコ)
○トランペットとチューバのマウスピースを間違えて購入する人間など絶対にいない
○演奏が全然下手でない

演奏部分に関しては恐らく音大生がやってるんだろうけど、主人公が引いてしまった新入生歓迎の暴れん坊将軍も、顧問が「なんですかこれは?」と呆れる海兵隊も、酷い演奏とは言えず、ちょっと無理がある。
いくら音程やタイミングをわざとズラしたり、わざとリードミスをしても楽器本来の鳴りが音大生のそれなので下手には聴こえない。
本当のスクールバンドのえげつない演奏を知ってる人間からしたら、とてもこんなもんじゃないですよね。
ネットのレビューでは、海兵隊の演奏が1回目と2回目でそんなに変わった印象が無いんですが…というのがあったが、吹奏楽を知らない人からしたら無理もないと思った。
たかだかアニメにそこまでリアルを求めるのは無理だろうし意味も無いと思うけど、弱小吹奏楽部が全国大会まで駆け上るというストーリーだとすれば、素人が聴いても明らかにわかるぐらいの「下手さ」をまず表現して欲しかったなと思いました。
まあでも、面白いのでこの先も観続けようと思います。なんとなく顧問の先生が自分と似てるし(見た目)

しかし、アニメの世界でもやっぱり男子部員は少ないんですねぇ…。

病気

このところブログの更新が滞っていました。
理由がありまして、実は病気を患っていたのです。
病気といっても慢性的な頭痛やけだるさが続き、食欲が減退するぐらいで、しばらくしたら治るだろうとたかをくくっていたところ、一向に良くならず、ここにきて扁桃腺が腫れ高熱が続くようになったので流石に病院に行くことにしました。

病気というのは体力だけでなく気力も奪います。
何もやる気が起こらず、怠惰に時間だけが過ぎていき、どんどんネガティヴな思考に落ち込んでいく。
滅茶苦茶に苦しいという訳ではなかったのですが、これほど長期に亘って患ったこともこれまでになかったので、このままもっと重い病気を併発していき、入院するような事態になるのではという不安が頭を過ぎりました。
結果的には、病院へいって適切な薬を処方されてからは快方に向かって一安心だったのですが・・・。
周囲の方々からは「もっと早く病院に行け」というお叱りを受けるのは必至だと思うので、ここで謝っておきます。ご心配かけてすみませんでした。

ご飯を美味しく食べることができたり、仲間と楽しく過ごしたり、楽器を吹くことができるのも、当たり前のことではなく心身が健康であって初めて可能なことです。
病気やケガをした時に、健全な状態でいられることのありがたみや幸せを実感します。
それが唯一のメリットと言えましょうか・・・。



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